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第34章 篠原さんはもっと財産を分けたい

篠原心海は彼が用事で出かけるのを知っていながら、わざと母親を盾にして邪魔をしていた。薄田蒼はこの女を今すぐにでも絞め殺してやりたいほどだった。怒りを抑え、なんとか笑顔を作って篠原心海に言った。

「さっきまで食べたいって言ってたじゃないか。俺はもう着替えたし、一緒に行こう」

篠原心海は慌てて手を振った。

「いやいや、もう眠いから、食べなくていいわ」

薄田蒼は母親に背を向けたまま篠原心海に怒りの眼差しを向け、それから素早く階段を上り、女の手首を掴んで寝室に入った。しばらくすると、篠原心海は外出できる簡素な服装に着替えさせられていた。薄田理子はその様子を見て笑みを浮かべながら、若い夫婦を急...