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第21章

服を着替え終わると、篠原心海は自分の荷物を整理して出かける準備をした。薄田蒼はソファに座り、彼女がポケットをチェックする様子を見ながら、突然声をかけた。

「そういえば、昨日お母さんの予約した検査が今日なんだ。お前も一緒に来い」

篠原心海は手を止めることなく、「スタジオで仕事があるから、一人で行ってきたら?」

拒否された薄田蒼の表情が曇った。「母さんの体調はかなり悪いんだ。お前は若い世代として孝行の義務があるだろう?それとも、そのクリーニング屋の仕事のために、母さんの健康も無視するつもりか?」

篠原心海は手を止め、真っ直ぐに薄田蒼の目を見た。

「道徳で私を縛る必要はないわ。確かに年下...