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第15章

薄田蒼は顔色を冷ややかにし、目は沈んだまま言った。「母さんはまだ病室で寝ているのに、お前はもう私と離婚したくて仕方がないのか?どうした?他に良い男でも見つけて、急いで私を捨てようとしているのか?」

昨夜の晩餐会で、彼はある男が手にしていたバッグが篠原心海があの日買ったものと全く同じデザインだと気づいた。

この種の高級品には全て個別の番号が付いており、その番号から購入者を特定できる。

彼は口実を設けてその男からバッグを借り、確認した。間違いなく篠原心海があの日購入したものだった。

しかし、その男の容姿と身分を思い浮かべると、彼は苛立ちを覚えた。

「見くびっていたよ。浦崎亮だけでは足り...