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第57章

病院

佐藤の個室オフィスにて。

藤原夜が真っ直ぐに入ってきた。その高く整った姿は、まるで冬の千里の氷と万里の雪を連れてきたかのようだ。彼が入ってくるやいなや、オフィス全体の空気が冷たくなった。

佐藤はすぐに膝の上の若い看護師を軽く叩いて立ち去らせ、自分も立ち上がった。

「藤原さん、どういう風の吹き回しですか?それに、その顔色はどうしたんです?」

藤原夜は彼を淡々と一瞥し、高貴な様子で診察椅子に腰を下ろした。

「病気だ。診てくれ」

「え?どこが悪いんですか?見せてください」佐藤は体温計を取り出し、藤原夜の体温を測り、額に手を当て、一通り検査した後、首を傾げた。

「見たところ...