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第45章

控えめな落ち着きのあるマイバッハが玄関前に停車した。

高橋深の車だろうか?

そう思った矢先、ドアが開き、スーツに身を包んだ高橋深が降りてきて、優雅に歩み寄ってきた。

「おはよう。今日は藤原家に打ち合わせに行くんだが、君も行くと思ったから、ついでに迎えに来たんだ」

川崎玲子は意外そうな表情を浮かべた。

「ありがとう!朝ごはん食べた?お弁当あるけど」

高橋深は既に食べていたが、彼女の手作りの美しいお弁当を見て、微笑んだ。

「ちょうどお腹が空いていたところだ。さあ、乗ろう」

「うんうん」川崎玲子は彼の紳士的なエスコートを受けて車に乗り込み、彼のためにお弁当の蓋を開けた。

車内に座...