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第16章

藤原黙が冷たく顔を背けた。

「言いたくない」

「……」なんてわがままな理由だろう。

「じゃあ、これからおばさんに約束して、もっとたくさん話してくれる?だって、あなたの声、超絶かっこいいんだから、話さないのはもったいないよ!もし神様があなたの声を聞いたら、きっと願い事叶えてくれるわ」

藤原黙は彼女を一瞥した。

「バカか?」

はいはい。

今時の3歳児もだませないか。

川崎玲子は引き続き方法を考え、藤原黙とゲームをしたり、話すよう促したりした。

一日はあっという間に過ぎ、気がつけば午後五時半になり、花子のお迎えの時間だった。

川崎玲子は時計を見た。藤原夜はまだ戻っていない。黙ち...