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第91章 血の味が広がる

彼らの唇の間には、ただ彼女の塩辛い涙だけが隔てていた。

藤原夜はその手を彼女の唇から素早く下へと移動させ、やがて彼女の細い腰に添えた。

彼女の腰は触り心地が良かった。スーツ姿では分からなかったが、あそこは細くて柔らかい。

藤原夜は思わずゆっくりとキスを深めていった。

彼女のキスは拙かった。

実は彼も……

でも、それほど難しくはないようだった。

前回のことを思い出しながら、藤原夜は再び真剣にキスを落とし、次第に夢中になっていった。

最初は軽く触れるだけのつもりだったのに、後には止められなくなり、彼のキスはどんどん強引になっていった。

桜島ナナが何度か上げた小さな声はすぐに彼に...