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第85章 合コン

桜島ナナは彼を見つめたが、あえて何も言わなかった。

藤原夜は彼女がようやく大人しくなったのを見て、オフィスへと戻った。

青木絵里は完全に呆然としていた。

藤原家の若奥様?

「これは佐藤さんへのプレゼントなの?」

青木絵里は小声で彼女に尋ねた。

桜島ナナはゆっくりと椅子に座り、もう一度そのバッグを見つめたが、心は宙に浮いていた。

「このバッグ、先日ネットで見たんだけど、一千万円以上するらしいわ。VIP会員しか手に入らないものだって」

「うん」

桜島ナナは胸が重く沈み、かろうじて小さな声で返事をした。

「藤原社長は佐藤さんにすごく優しいのね。彼女のことを藤原家の若奥様だなんて...