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第84章 ああ、藤原家の若奥様の

青木圭は何も言えなくなった。

藤原夜が桜島ナナのバッグに手を触れ、思わず尋ねた。「これ、何のブランド?」

青木圭は近づいて見たものの、分からなかった。そして携帯を取り出した。「知りたいなら、簡単だよ」

識別アプリで調べると、なんと。

マイナーなブランドで、たったの6万円だった。

藤原夜は青木圭の携帯に表示された価格を見て、すぐにでも投げ捨てたい衝動に駆られた。

しかし彼女の持ち物が入っていると思い、自制して自分の膝の上に置いた。

食事の後、二人の男は高級ブランドショップに入った。青木圭は思わず小声で忠告した。「男二人で女性用バッグ店を見るのは、変じゃないか?」

「何が変なんだ...