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第30章 同じ権利

桜島ナナは佐藤遥の言葉に困惑の色を感じ取り、彼女と争うつもりもなかったので、自分で水を注ごうと立ち上がろうとした。

しかし立ち上がる前に、隣にいた藤原夜に制された。「君たちホテルはこういう接客をするのか?普段の研修で教わったマナーは全部忘れたのか?」

ウェイターはすぐに慌てふためき、佐藤遥の指示だったと言いたかったが、佐藤遥の表情を見て怖くなり、何も言えなくなった。

こちらに異変を感じたマネージャーがすぐに駆けつけてきた。「藤原様、何か問題でもございますか?」

「彼女を解雇して、お前が直接給仕しろ」

マネージャーも困惑し、ウェイターを脇に呼んで話を聞いた後、やっと事情を理解した。

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