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第19章 退職を許さない

「もしあなたが藤原おばあちゃんのことがあって、だから私をあなたの側に秘書として置いているなら、言っておくけど、もう行かないわ。あなたの秘書をするのは本当に辛いの、もう続けたくないわ」

藤原夜は桜島ナナの恐れおののく様子を見て、心に保護欲が湧き上がった。彼は会社の誰かがナナに危害を加えていると思い、心配そうに尋ねた。「会社で誰かに虐められてるのか?もしそうなら、俺に言え。あるいは直接人事部に連絡してもいい。そいつをクビにさせる。お前は藤原夫人だ、ここでは何でも好きにできるんだぞ」

桜島ナナは自嘲気味に笑った。彼女の存在はまるで秘密のようなもの、ごく一部の人しか知らない秘密だった。彼女が藤原...