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第172章 もしかして彼は、一目惚れだったのか

どうしよう?

藤原夜はグラスを手に持ち、何か言おうとした瞬間、外からドアがノックされた。

「どうぞ」

青木圭はドアの方を見て声をかけた。

「藤原様、ご用命の薬の準備ができました」

スタッフがドア口に立って告げた。

「ああ、じゃあ先に行くよ」

「怪我でもしたのか?」

「こんな夜遅くどこへ行くんだ?外は雨が降ってるぞ」

青木圭と大野東は彼が立ち上がるのを見て、思わず好奇心に駆られて尋ねた。

「桜島ナナが足首を捻ったんだ」

彼は淡々と一言残し、すでに外へ向かって歩き出していた。

「誰が足首を捻ったって?」

「桜島ナナだよ...