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第17章 田中晴子の訪問

桜島ナナは藤原夜を一瞥した。もし家政婦が家に来て料理をするなら、彼女と藤原夜が一緒に住んでいないことはきっとバレてしまう。そうなるとより解決が難しくなるのではないか。

田中晴子は桜島ナナが藤原夜を恐る恐る見つめる様子を見て、この不届き者がまた桜島ナナをいじめたのだろうと思った。

「大丈夫よ、宝物。藤原夜を気にしなくていいの。彼が気に入らなくても構わないわ。あなたが心地よく過ごせればそれでいいの」

桜島ナナは頷いた。「大丈夫です、お母さん。わたしはここで快適に過ごしていますから、家政婦さんに来てもらう必要はありませんよ」

背後から藤原夜がぽつりと口を開いた。「もうすぐ出勤の時間だ。桜島...