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第14章 桜島ナナを送り出す

桜島ナナはこの言葉を聞いて、自分の自由が制限されたと感じ、つらさが極限に達して、涙が抑えきれずに流れ落ちた。

「どうして……」

「お前が最初に俺の妻になった時点で、こういうことも考えておくべきだったんだ。一度約束したからには、後悔はできない」

けれど結婚は彼女が決めたことではなかった。確かに藤原夜に色気を感じていたことは認めるが、彼が嫌なら断ることもできたはずだ。どうして彼女をこんなに苦しめるのか?

「後悔はしていないわ。でも、ここを出ていくわ。あなたのそばから離れる」

桜島ナナは言い終わると、再び布団に潜り込み、もう藤原夜と話そうとはしなかった。

藤原夜は桜島ナナの頑固さを知っ...