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第136章 佐藤遥を後ろに座らせる

桜島ナナはただ顎を上げたまま動く勇気がなかった。

彼女が少しでも動けば、彼の唇が彼女の肌に触れてしまう。

だから彼女はずっとその姿勢を保ち続け、藤原夜は今にもキスしそうな仕草をしていた。

桜島ナナは背後の手すりを両手で掴み、その握りはどんどん強くなっていった。

「あ、藤原夜」

ポケットが軽くなり、スマホが一瞬で取られ、手を上げようとした彼女は彼の腕の下に押さえ込まれ、抱きしめられた。「こっち見て」

桜島ナナは反射的に顔を上げた。

すると、スマホのロックが解除された。

藤原夜は褒美のように、片手で彼女を抱きながら、彼女の頬にキスをした。「いい子だ」

彼は勝手に見ることはせず、...