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第3章

佐藤橋はその雲を突き抜けるような巨大な建物の前に立ち、太陽の光に照らされて金色に輝く巨大なロゴを見上げながら、緊張して小さく喉を鳴らした。

彼女がここに来たのは面接と初めてのオーディションの時以来で、その後はずっと支部での撮影に専念していた。今回は彼女の上司兼担当者である松本祐介からの一本の電話で再びこの場所に呼び戻されたため、田舎者が初めて都会に出てきたような不安な気持ちが湧き上がってきた。

昨日、田中健太と午後1時にロビーで会う約束をしていた佐藤橋は、時計を見るとまだ時間前だったので、ロビーのソファに座って待つことにした。

この時代では性産業に対してとっくに開放的な態度が取られてお...