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第10章

佐藤橋は電子ボードを見続け、自分の名前を探そうとしていた。業界の女優は千人もいないまでも八百人はいる。このランキングには最大でも四百人しか載せられない、まさに「実力査定表」そのものだ。

佐藤橋は自信なさげに四百位から上へと目を走らせ始めた。三百八十位あたりで藤原紫の名前を見つけると、自分はおそらく四百位以下だろうと落胆した。

諦めきれずにさらに上を探していく。四百位から一位まで、「佐藤」という姓の人は一人もいなかった。

これで本当に世界が崩れ落ちるような気分になった。

佐藤橋は急に足取りが重くなるのを感じた。ため息をついて外へ向かい、もう終電に乗る気も、夕食を食べる気も失せてしまった...