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第52章

そこで彼女は返信した。「いいよ。」

先生が出した課題をノートに書き終えると、授業終了のチャイムが鳴り、渕上純は素早く鞄をまとめて教室を出た。なぜか、彼女は毎日神原文清に会えることをとても楽しみにしていた。

しかし、渕上純が教室を後にすると、残された生徒たちの間で議論が沸き起こった。

廊下を歩く彼女のそばを通り過ぎる生徒たちは、彼女を見て何かをひそひそと話し合っていた。渕上純の耳には「愛人」や「拝金女」といった単語がかすかに聞こえてきた。

彼女は気にせず、ただ誰かの噂話をしているのだろうと思った。

そのとき、彼女の携帯が鳴った。斎藤俊からの着信だった。

「もしもし」

「純、どこに...