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第44章

最後、渕上純は自分の顔がどれほど凍えているかを確かめてもらうために、どアップの写真を神原文清に送った。唇まで紫色に凍えていた。

それから彼女は再び簡潔に事の経緯を繰り返した。先ほど送った長文を神原文清が万が一読まなかった場合に備えてだ。特に上村恵が山登りにまで派手な格好で来ていたこと、ハイヒールと毛皮のコートを着て、道半ばで疲れたら自分に靴と服を交換するよう要求したことを強調した。

さらに一言、毛皮とハイヒールで山登りするのは精神的におかしな人だけだと付け加えた。自分は凍えていても下山のためにそれを着ようとは思わない、でなければ足首を捻挫してしまうだろうと。

数通のメッセージを送信し、...