家族を離れ、自由を望んでる私は既にある者の虜になった

第40章

神原文清は笑みを浮かべた。「関係ない人同士が……簡単に体を重ねたりするかな？」

渕上純は言葉に詰まり、眉をひそめて黙り込んだ。

鈴木真子の強要によって長年様々な場を渡り歩いてきた彼女は、数え切れないほどの男性を見てきた。イケメンも、スタイルの良い男も、金持ちも周りに溢れていた。どんな男性を見てこなかったというのだろう？

だからこそ、彼女はそれなりの術を身につけていた。決して心を動かさず、自分を深みにはまらせないこと。

神原文清と出会ってからは、彼に対して戸惑いを感じ、時に自分をコントロールできないこともあった。しかし彼女は我慢することができた。そして自分に言い聞かせた。大人の世界、特...