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第37章

「べ……べつに何でもないわ」渕上純は顔を真っ赤に染め、小さな心臓が激しく鼓動していた。

神原文清は彼女を淡々と一瞥し、口元をわずかに上げてから部屋を出て行った。

しばらく経っても男性は戻ってこなかった。渕上純は恐らく別の部屋で入浴しているのだろうと推測した。でも、なぜここで入浴しないのだろう?

あれこれ考えるうちに、渕上純は少し大胆な推測をした。もしかして、彼女の休息を邪魔したくないからだろうか?

しかし、その考えはすぐに打ち消された。神原文清が彼女をそこまで気遣うとは思えなかった。だが、以前彼女が熱を出した時に神原文清が看病してくれたことを思い出すと…

一瞬のうちに、渕上純は何を...