家族を離れ、自由を望んでる私は既にある者の虜になった

第23章

出田竜也の顔色が土気色になり、彼は歯ぎしりしながら言った。「渕上純、何を馬鹿なことを言ってるんだ！」

「もういい、私が馬鹿なことを言ってるかどうかは当事者二人が一番よく分かっているはずよ。私にそんなこと言う必要もないし、聞きたくもない。二人とも、どいてもらえる？行くから」渕上純は平淡な目で二人をきっぱりと言い返した。

次の瞬間、森田美咲が可愛らしく泣き始めた。彼女は泣き続け、周りを通る人々は森田美咲が泣いているのを見て、反射的に腕を組んで強い雰囲気を放つ渕上純を見た。まるで彼女が弱い者をいじめる人だと決めつけたかのようだった。

しかし渕上純は気にしなかった。彼女はそもそも他人の目を気に...