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第60章

フリーデルの目に暗い光が走った。

「つまり、お前の推測では、ゾット城は一年前の時点でヴィレ帝国と同盟を結んでいたということか?」

アネルは穏やかな声で答えた。

「てっきり、なぜ彼らが同盟を結んだのか、あるいはなぜゾット城が南部戦線を放棄して遠回りして東部へ向かったのか、と尋ねるかと思いました。一見すれば合理的ではありませんから」

「軍の行進は通常、彼らのように正常な軌道から外れることはありません。より良い選択肢がある場合を除いては」

アネルはフリーデルを一瞥した。この男は特に驚いた様子もなく、むしろ彼女のこうした推論を聞いた後、やはりそうかという表情を浮かべていた。

フリーデルは...