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第44章

カンティニは一瞬固まり、すぐにホウデンの腕から身を引き離した。

「なぜ突然そんなことを聞くの?」

ホウデンはヴェルリット荘園で遭遇した出来事をありのままに話した。もちろん、彼が殴られたという恥ずかしい部分は省略した。一人の男として、そして騎士団団長として、ホウデンは愛する女性に自分の醜態を知られたくなかった。

カンティニは考え込むような表情を浮かべた。彼女とホウデンの功績に関わることだから、もしホウデンが純粋に好奇心から聞いているのなら、話しても構わないだろう。しかし今はアネルが尋ねていると分かった以上、カンティニは話したくなくなった。

一方では、この件が戦場における捕虜の扱いに関す...