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第42章

ホウデンはヴェルリット荘園を去る時、来た時よりも早足だった。

本来はなるべく王様に謁見せず、アネルのところで全てを片付けようと思っていたのだが、今や行き詰まってしまった。

幸いにもヴェルリット家の領地は王城から遠くなく、彼は王城に近い町で新しい服に着替えた。先ほどまで着ていた服は殴られてボロボロになっており、町に入る時には門の衛兵に浮浪者と間違われて入城を拒まれそうになった。ホウデンは喧嘩をしてきただけだと説明し、決して迷惑はかけないと約束してようやく入城できた。

この状況で自分がタイタン家の者だと名乗るなど、もはや笑い話の種を増やすだけだった。

道中ずっと、ホウデンは王様が自分との...