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第40章

エリサは笑って眼鏡を押し上げた。

「だってケイ叔父さんはお嬢様の一番の護衛ですからね」

アネルも口元に笑みを浮かべた。

「先ほど戻って来た伝令の者はどこ?」

「もうすぐ来るはずです」

エリサは耳をわずかに動かし、笑顔で傍らの少女に手招きして扉を開けるよう促した。

その少女はドスナといい、最近ヴェルリット荘園で働き始めたばかりのメイドだった。彼女は丸い目をしており、とても愛らしい印象を与えていた。ドスナはエリサの仕草に一瞬戸惑ったものの、反応は素早く、すぐに扉の側に立って書斎の扉を開けた。

「お嬢様」

先ほど馬を飛ばしてきた者がアネルに恭しく一礼し、胸ポケットから手紙を取り出し...