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第19章

「カン——」鋭い刀刃がアネルによって受け止められた。

暗殺者は急に顔を上げ、信じられないといった表情でアネルを見つめた。

彼の腕前なら、一人の婦人すら始末できないはずがない。しかも彼女は明らかに武器を持っていなかったのに……

違う!

暗殺者の視線が壁に向かって急に動いた。

貴族の家には通常、様々な装飾品が掛けられているものだが、アネルの傍らの壁には装飾用の剣と盾のうち、銀色の盾だけが残っていた。アネルの手元を見ると、まさにその刃のついていない剣ではないか!

暗殺者は心の中で「まずい」と思いながらも、アネルに対してさほど警戒心を抱いてはいなかった。彼を雇った者が言うには、この女は貴...