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第52章

藤田一は塚本悟の肩に手を置いた。

「また彼女は結婚してるって言うつもりだろ!結婚してようがどうだ?結婚してても離婚はできるだろ?旦那に金を積んで、そいつに金持って遠くへ消えてもらえば、彼女はお前のものになるじゃないか」

塚本悟は身をかがめてタバコを消すと、冷たい目で藤田一を見た。

「彼女はお前が軽々しく弄べる女じゃない」

藤田一は笑いながら言った。

「そこまで彼女をかばうのか?」

「かばう?俺はただ、女性を軽々しく冗談の種にする輩が気に入らないだけだ」

「わかったよ、お前の言う通りにしておくよ。彼女の話はもうやめる。飯に行こうぜ」

この塚本悟という男は、体中で唯一硬いのは口だ...