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第47章

小林栄治は塚本悟が善人だとは思っていなかった。

「本当か?」

「本当だ!」塚本悟は電話をパンと切った。彼はあの女を同情したわけではなく、自分にもおばあちゃんがいるから、あの不品行な女性に共感できる部分があったのだ。

おばあちゃんのことを思い出し、すぐに和田おばあさんに電話をかけた。おばあさんは最近、彼の離婚のことで精神的に調子を崩していた。

電話は執事が出た。

「若様、おばあさんはあなたの声を聞きたくないとおっしゃっています」

塚本悟は諦めて頭を振った。

「おばあちゃんに伝えてくれ、あの女のおばあちゃんが病気らしいと」

「何ですって?佳恋ちゃんのおばあちゃんが病気だって?」和...