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第46章

「うちの佳恋は、旦那さんの前ではずいぶんしっかりしているんだねえ」孫娘と孫の夫が幸せに暮らしていると思えば、祖母の表情も和らいだ。

「わかったわ。あなたの言う通り、朝霧町に行くことにする」

祖母はあっさりと承諾した。柳田佳恋は内心で喜びながら言う。

「おばあちゃん、それじゃあすぐに手配するね」

「そんなに急がなくてもいいのよ。あなたに渡したいものがあるんだから」祖母は懐に手を入れたが、何も見つからない。自分が病院の寝間着姿であることに気づいた。彼女は慌てて辺りを見回す。

「佳恋、私の綿入れはどこかね?」

「おばあちゃん、慌てないで。ちゃんと預かってるよ」柳田佳恋は急いで脇に置いて...