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第44章

柳田佳恋は最速で荷物を取り、タクシーに乗って病院へ急いだ。

タクシーの中で、小林栄治からまた電話がかかってきた。まるで死神の呼び声のようだった。

「柳田さん、昨夜はちゃんと約束したじゃないですか、今日はいったい何をしているんですか?」

確かにこの件は柳田佳恋が約束を破った方だった。

「小林さん、本当に申し訳ありません!わざと来なかったわけではなくて、家に急な用事ができて、どうしても対応しなければならなくて。忙しいことが片付いたら、また離婚の日程を調整させてください」

「離婚の手続きなど、ほんの数分で終わります。とにかく一度こちらに来て手続きを済ませてくだされば、その後はどこへでもお...