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第42章

川原先生は思わず塚本悟の方を見たが、塚本は手元のタブレットに目を落としたまま、ぴくりとも反応しなかった。まるで柳田佳恋が帰るかどうかなど、彼には全く関係のないことのようだった。

「柳田さん、まずはお粥を飲みなさい。食べてからにしましょう」と川原先生は仕方なく頭を振りながら言った。

「はい」柳田佳恋も食事を済ませてから帰るつもりだった。今の自分の惨めな姿では、本田裕也と坪田清水に会えば、また心配させることになるだろう。

お粥は柔らかく甘みがあり、一杯食べ終わると、もう一杯欲しくなった。川原先生が笑顔でもう一杯よそってくれた。

「食べられるということは、体調が良くなってきた証拠だね」

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