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第51章 お金を持って南町を離れる

藤本健司が去ってまもなく、会社の受付が高級な服装をした中年女性を白井麗子のところへ案内してきた。

白井麗子は忙しく作業していたが、突然頭上の明かりが少し暗くなったように感じた。次の瞬間、受付の甘い声が響いた。「白井さん、こちらの方がお会いしたいそうです」

白井麗子は一時手元の仕事を中断して振り向き、その方の顔を見た瞬間、少し驚いた。

白井麗子はこの方を知っていた。藤本健司の母親だった。

白井麗子は立ち上がり、微笑みながら積極的に藤本の母に挨拶した。「こんにちは、藤本奥さん」

藤本の母は彼女に頷き、洗練された口元が上がったが、その笑顔には何か冷ややかなものが混じっていた。

軽蔑する...