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第46章 あなたと話したいことがある

「高級ブランドのシャツにスラックス、イタリア製のオーダーメイドの革靴…。あの男の身なりだけで、この家の家賃一年分は下らないんじゃないか!」

白井麗子は思わず首を振った。どう見ても藤本健司は実働部隊には向いていない。「結構です。邪魔さえしなければいいですから」

彼女の直球に藤本健司の表情が一瞬こわばり、その場に居心地悪そうに立ち尽くした。

引っ越し業者のトラックがすでに到着していた。麗子は彼に構っている暇はなく、佳奈子さんと一緒に荷物を全てトラックに積み込み、業者の車と一緒に新居へ向かった。

藤本健司は自分の車で直接、白井麗子の後を追って彼女の新しい住まいへと向かった。

白井麗子が新...