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第43章 物が全部投げ出された

藤本健司を断った後、白井麗子は午後ずっと彼の姿を見かけなかった。

それはそれでいい。気が楽だった。

あっという間に退社時間となり、白井麗子はいつものように幼稚園へ子供たちを迎えに行った。

二人の子供たちは彼女を見るなり走り寄ってきて、彼女の胸に飛び込み、しばらくじゃれ合った後でようやく大人しく車に乗った。

白井麗子は先に彼らを家に連れて帰って少し遊ばせてから、村上家の実家へ送るつもりだった。

しかし道半ばで携帯が鳴った。佳奈子さんからの電話だった。

白井麗子は思わず眉をひそめた。通常、佳奈子さんは特に用事がなければ電話をかけてくることはなかった。

急いで通話ボタンを押す。「どう...