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第36章 局面を逆転する

白井美咲の顔は辛そうで、目は真っ赤だった。

村上翔太は一歩踏み出して彼女の前に立ち、村上信也の威厳に臆することなく顔を上げた。「この人が僕たちに熱い飲み物をくれたんだ。妹は熱いって知らなくて、手を火傷しちゃって、それで飲み物を落としちゃっただけなんだ」

彼の説明は簡潔明瞭で、聞けばすぐに状況が理解できた。

白井美咲は何度も頷いて言った。「うん、お兄ちゃんの言った通りだよ」

村上信也の顔色は依然として暗く、好転する気配はなかった。

この状況を見て、佐藤侑里はわざと痛そうな、弱々しい様子を装い、柔らかい声で言った。「信也、怒らないで、私は大丈夫よ。美咲ちゃんはわざとじゃないわ。きっとう...