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第20章 緑の髪とほくろ

村上信也の表情がわずかにこわばり、脳裏にふと白井麗子の顔が浮かんだ。先ほど、電話の向こうで怒っていた彼女も、きっとこんな顔をしていたのだろう。

白井美咲は冷たく鼻を鳴らし、顔を背けて彼を無視した。

彼女のこのような態度は村上信也が何度も見てきたものだが、やはり少し可愛いと感じた。

冷たい表情を和らげた後、彼は村上翔太を見て言った。「早く寝なさい。いい子にしていたら、明日の朝、携帯を返してやる」

二人の子どもは誰も彼に返事をしなかった。村上信也は鼻をこすり、部屋を出る際に彼らのために電気を消すのを忘れなかった。

部屋は一瞬で暗くなり、元々暗いのが怖かった白井美咲は急いで村上翔太の胸に...