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第58章

鈴木直哉は複雑な眼差しで水原念を見つめた。

彼女が承諾するなんて!

彼女は清子と乗馬で勝負すれば、必ず負けることを知らないのだろうか?

それとも、彼女自身もこういう遊びが好きで、適当に男を引っ張ってホテルに行きたいと思っているのか?

なんてみっともない女だ!

水原念は馬の背から飛び降り、夏目清子の前まで歩み寄った。

「念ちゃん、ダメよ」田中修一も慌てて馬から降り、水原念の腕を掴んだ。今日は彼が水原念を連れ出したのだから、彼女を守らなければならない。そうでなければ、水原雲成に顔向けできない。

彼自身も絶対にこんなことを許すわけにはいかなかった。

「ホテルに行くだけでしょ?男女の...