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第46章

「直哉?」夏目清子は辛そうに鈴木直哉を見つめ、瞬く間に涙が瞳に溢れた。

「直哉、わたしのこと、好きじゃなくなったの?」

「違うよ」鈴木直哉は手を伸ばし、夏目清子の目尻の涙を拭った。「清子、どうして君のことを好きじゃなくなるなんてことがあるんだ?君は世界で一番好きな人だよ。君を妻にしたいんだ。どうして好きじゃないなんてことがあるんだい?」

「嘘つき!」夏目清子は辛そうに唇を噛んだ。「直哉、嘘ばっかり。いつも好きだって、愛してるって、わたしを奥さんにするって言うくせに。でも今でも、念ちゃんの目にはわたしは日の目を見ない浮気相手なのよ。それに、あなたはわたしにキスもしてくれない。五年も付き合...