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第40章

今日、寝室のドアを開けるとすぐに、温かく甘い香りが顔に押し寄せてきた。カーペットの上には、入り口から奥のベッドまで、バラの花びらが一面に散りばめられていた。

寝室の小さなテーブルには、灯された蝋燭が輝きを放ち、その傍らには既に開栓されたワインと、ワインが注がれた二つのワイングラスが置かれていた。

室内のあちこちにも様々な装飾が施されており、一目見ただけで、水原念はまるでホテルのカップルスイートに来たかのような錯覚を覚えた。

水原念はすぐに先ほど階下で鈴木おばあさんと話をしていた時、おばあさんが鈴木直哉に部屋の飾り付けを頼んでいた場面を思い出した。彼女は信じられない様子で隣にいる鈴木直哉...