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第23章
病院に着いた。
ガラスが深く刺さっていたため、縫合には麻酔が必要だった。
葉山萌香は佐々木めめを何とか席を外させた。
そして看護師に首を振って言った。
「麻酔は結構です」
看護師は一瞬固まった。
「痛みますよ」
「大丈夫です」
消毒、ガラスの破片と残渣の除去、縫合。
痛みで時間が異常に長く感じられた。
葉山萌香は涙を流すだけで、声一つ上げなかった。
失血のため、傷の手当が終わった後も点滴が必要だった。
赤ちゃんに影響がないことを確認してから、やっと同意した。
秋冬の時期で、風邪をひいている人も多かった。
点滴室は今、患者で溢れていた。
葉山萌香は片隅で体を丸め、...