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第22章

葉山萌香が振り向く間もなく、背後から何かが飛んでくるのを感じた。

本能的に身をかがめた。

「バン!」という大きな音が響いた。

ガラスドアが粉々に砕け散り、ドア枠から外れたガラスが葉山萌香の上に直撃した。

「葉山秘書!」

周りの人々が驚きの声を上げ、すぐに駆け寄った。

経済犯罪捜査課の人々は新海卓を地面に押さえつけていた。

高橋司がその場に到着したのは、まさにその瞬間だった。

彼はいつもの優雅な態度も忘れ、反応する間もなく大股で駆け寄った。

「あっ、血が!」

佐々木めめは葉山萌香の一番近くにいた。

葉山萌香の体中にガラスの破片が刺さり、特に両手の甲には大きなガラスが突き刺...