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第20章

浅木隼人が予想もしなかったことに、契約金額が東科側から三分の一も上がった。

その理由は、葉山萌香が変更した内容にあった。

これらを完璧に実現するには、投資を追加しなければならなかった。

会議室を出て。

浅木隼人は葉山萌香に親指を立てて見せた。

「葉山秘書、本当に参りましたよ。社長室にいるより、うちの営業部に来ませんか?」

葉山萌香が答える前に。

力強い声が後ろから聞こえてきた。

「お前んとこのインベの営業部より、うちの東科の方がいいに決まってるだろう?」

皆が驚いて振り向いた。

浅木隼人は心の中で思った。誰だ、目の前で引き抜きを図るなんて。

来人を見て、すぐに気後れした...