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第36章 昨日はとても強かったんじゃないの?

「いいえ、私、彼が故意に足を伸ばして、車椅子を押したのを見ました」

さっきまで藤原翔太を横目で見ていた女子高生が突然口を開いた。

彼女は藤原翔太の容姿が気に入って、ずっとこっそり見つめていたため、太田陽介が意図的に近づいて藤原翔太を突き倒した一部始終を目撃していた。

「太田陽介さん、故意の傷害罪は実刑になりますよ」

藤原真央は周囲の人々を見渡しながら、手を出そうとする衝動を必死に抑え、携帯を取り出して警察に通報しようとした。しかし、太田陽介は何も恐れていない様子だった。

「証拠はあるのか?俺はただ通っただけだ。故意だったって証明できるのか?一学生の証言だけで?彼女に故意か過失か、ど...