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第19章 自分の体を狙う

風呂から出たばかりの藤原翔太は、塚本恭平に手洗いから押し出された。

藤原真央は弟を見て優しい笑みを浮かべ、頭を上げて真剣な面持ちで塚本恭平に向かって言った。

「ありがとうございます」

塚本恭平は冷ややかに鼻を鳴らし、感謝の意を全く受け入れずに立ち去った。今夜二度目の感謝の言葉だった。全て弟のためのものだ。

先ほど服が濡れてしまった彼も、シャワーを浴びる必要があった。

主寝室には独立した手洗いがあり、これは塚本恭平が自分用に特別に確保していたものだ。

ただ残念なことに、給湯器を長く使っていなかったせいで、まったくお湯が出なかった。

寝室のドアを開けると、姉弟はすでに眠りについてい...