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第17章 身分に注意する

車の中で、藤原真央は塚本恭平を見つめた。彼は真剣に運転に集中しており、周りには冷たい雰囲気が漂っていた。

「あの、すみません。今日は緊急の任務があって、翔太がまだお店にいるんですけど、迎えに行ってもいいでしょうか」

藤原真央は恐る恐る切り出した。結局、翔太をお茶屋に預けたのは自分なのだから。

塚本恭平はお茶屋のスタッフに翔太の世話を頼んでいたとはいえ、こんな遅くまで迷惑をかけてしまったのは申し訳ない。

「ふん……弟がいたことを覚えていたのか?」

塚本恭平の口から皮肉な言葉が飛び出した。

藤原真央は言葉を失った。

「外で遊び呆けて、弟のことなんて忘れちまったじゃないかと。もう俺が...