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第15章 彼女が恥をかくのを待つ

「えっ、急にマスカレードパーティーに変更ですって?」

藤原真央はマスクを手渡されても、状況を飲み込めていなかった。

普通のパーティーのはずが、始まってから突然の変更とは。お金持ちは気まぐれなものだ。

マスクを着けた彼女は、片隅に隠れて、ブルートゥースイヤホンを通して佐々木隊長に急な変更を報告した。

「問題ない。マスクを着けていても、服装は変わっていないから、二人で目標を見失わないように。計画通り実行せよ」

指示を受けた真央は、小野隆治の元へ戻った。

彼女に割り当てられたのは赤い狐のマスクで、今日の服装とは全く調和していなかった。

しかし仕方がない。クラブハウスは急な通知で、用意...