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第13章 不運な藤原真央

塚本恭平は今朝一時間遅刻したせいか、今日のスケジュールは特に詰まっていた。

昼には取引先との食事を済ませると、慌ただしく支社へ向かって業務を処理した。

会社への帰り道、目を閉じて休んでいた塚本恭平に、アシスタントの滝谷慎吾が午後のパーティー用のスーツを系列デパートで受け取る必要があると告げた。

塚本恭平は、デパートの視察も久しくないことを思い出し、アシスタントと一緒に入ることにした。

ついでにスーツの試着もして、サイズが合わない場合に備えようと考えた。

ところが、3階のエレベーターを降りた途端、藤原真央という女を目にしてしまった。

彼女はアパレルショップで服を選んでおり、塚本恭平...