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第11章 任務を必ず完遂する

藤原真央が姉弟の荷物を片付け終えたのは、もう昼になっていた。塚本恭平の家には食べ物どころか、鍋や食器さえ揃っていなかった。

空っぽの家具だけが並ぶ部屋を見て、真央は買い物に行く気も失せていた。

ここは結局、塚本恭平の家なのだ。何を揃えるにしても、まずは彼に相談しなければならない。

「翔太、姉ちゃん食べ物買ってくるけど、一人で大丈夫?」

藤原翔太はベランダで日向ぼっこをしていた。こんな良い日差しを浴びるのは久しぶりだった。

「大丈夫」

翔太は素直に頷いた。

彼は頭が良くなくても、誰が自分に優しくて、誰が冷たいかはよく分かっていた。

おばさんの家にいた時、家族みんなが自分を嫌って...