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40話

「気をつけてアリナ」ダンテは病室のドアから出ようとしていた私を支え、立ち上がるのを手伝ってくれた。

「大丈夫よ、ダンテ。もう完璧に歩けるわ」私は微笑みながら、彼の手を腰から離した。今日はついに、孤独な監禁状態だった病室から退院する日だった。

屋敷に戻れることに新たな幸せを感じていたけど、その理由は分からなかった。ただ、何年も見ていないような気がしていた。

突然、それが家のように感じられた。私が恋しく思っていた家。

私の行動に、ダンテの顔に一瞬だけ微かな眉間のしわが現れたが、すぐに消えた。

ダンテは私の腰を軽く撫で、大丈夫だよと言っているようだった。私は彼の触れ方を理解し、微笑み返した...